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2013開幕直前インタビュー

昨シーズン、ジャパンXボウルに進出しながらも僅かに届かず準優勝に終わったDEERS。
今年こその思いを胸に今春はパールボウルを制した。
4年ぶりの日本一、そして春秋制覇へ。
そのポイントを森清之ヘッドコーチに聞いた。


―昨シーズンは3年ぶりにジャパンXボウルに進出しましたが、オービックに24−27で敗れ準優勝に終わりました。届かなかった3点差をどのように考えられていましたか?

 フットボールにおいては勝ち負けが重要であって、点差というのはあまり関係ないと思います。例えば1点差の試合をした2つのチームに力の差がないかといえば必ずしもそうではないと思いますし、反対に大差のついた試合だからチーム力に差があるかといえば、そうではないこともあります。やはりオービックの方がトータルで我々よりも強かったということだと思います。

―4年ぶりの日本一へ向けて、今年はどのようなチームにしようと考えていましたか?

 基本的にはいつものシーズンと変らないことを心がけようと思いスタートしました。ファンダメンタルがしっかりしていて、フットボールをよく理解し、それによって自分たちの力を最大限に発揮する。それをどのレベルまでやるかということが重要だと考えていました。昨年の反省を踏まえて、プレーを改善しようとか、選手の配置をどうしようかとか、細かい部分を変えていくことはもちろん必要なことです。しかし、チームを本質的に強くするには、何をやるかということより、根幹となるフィジカルやメンタルを高めていくことが重要だと考えていました。

―春はパールボウル優勝という結果を出しました。

 春シーズンを通じてチームが少しずつ良くなった結果が優勝に繋がったと思います。しかし、春の結果がそのまま秋にも優位な部分として表れるかといえばそうではないと思います。他のチームは補強もしていますし、我々はまだまだ強くならないといけません。優勝という結果を得て、少なくとも見当違いのことはしていないということは言えると思いますが、秋に向けての明るい材料ばかりとは言いきれない部分もあると思います。

―パールボウル後に今後に向けてはラインの強化が必要と話されていました。

 ラインに問題があると言うより、そこがしっかりすることで安定した戦いができるというのが私の持論です。ライン戦を優位に進めるということは、相手に関係なく、自分たちの土俵で戦える一番大きなファクターであり、それがフットボールという競技だと思います。

森ヘッドコーチ ―夏の練習での手ごたえはいかがでしょうか?

 夏の練習で全体に良くなってきたと思います。けれど、ガラっと見違えるほど良くなったというユニットや選手はまだ出てきていません。これから試合を重ねていく中でそういうユニットや選手が出てきて欲しいなと思います。

―伸びてきている選手はいるでしょうか?

 成長しているのは鈴木(WR#85)ですね。言われてすぐに色んなことができるタイプではありませんが、地道に努力して良くなってきました。ただ、彼の持っているポテンシャルからすると、もっと高いレベルに行けるはずです。これからさらに力を伸ばして欲しいと思います。ディフェンスでは天谷(LB#17)が良いです。春も活躍してくれましたし、秋も当然期待しています。それにまだ荒削りですが清水(LB#35 )も良くなってきました。 それから、ここにきて山本吉孝(LB#4)が良い動きを見せています。春は怪我で試合に出られませんでしたが、復帰して、特に合宿以降はかなり良いパフォーマンスを見せてくれていますので、秋の試合では期待しています。

―9月1日に開幕を迎えます。今シーズンのDEERSのオフェンス、ディフェンス、スペシャルチーム、それぞれの特徴を教えてください。

 オフェンスは、シンプルだけど的が絞りにくいようなオフェンスを作ってきました。自分たちの力はしっかりと発揮できるようにしつつ、相手にとっては守り辛いように細かい部分に工夫をしています。全体的に昨年からブラッシュアップされていると思います。 QBは山城(#10)が春を通じて安定した力を見せてくれましたし、加藤(#7)も怪我から復帰して良くなっています。 これにOLの力が加わって力強いラン攻撃ができれば良いオフェンスになると思います。 ディフェンスは、昨年からタックルを課題にしてきました。これは簡単に習得できることではありませんが、少しずつできるようになってきたと思います。 ただ、やはりディフェンスで重要なのはDLだと思います。DLが力強さを発揮してくれることでLB、DB陣が動き易くなりますし、反対にここで劣勢にたってしまうと何をやってもうまくいきません。DLの出来がディフェンスの鍵を握っていると思います。 スペシャルチームは選手層が厚くなりました。昨年までは、核となる選手が出られなくなるとガクンと力が落ちてしまっていましたが、今年はそれがない。誰が出ても安定して結果を出してくれると思います。

―日本一へ向けてポイントとなるのはどういった部分でしょうか?

 ポイントはリーグ戦終盤からそれ以降の戦いへ向けて、攻守ラインがどれだけレベルアップできるかということと、もうひとつはそれぞれの選手が勝負どころで良いプレーをできるかだと思います。全てのプレーを一生懸命やるのは当然ですが、試合の中で分岐点となるプレーが必ず出てきます。そういう場面でいつも通りの力を発揮して、自分たちの力で勝利を掴みにいく。それが大事だと思います。そういう意味ではスキルも大事ですが、メンタル面が重要だと思います。

―鹿島DEERSとしては最後のシーズンになりますが、ファンの方へ向けてメッセージをお願いします。

 個人的には最後というのは意識していません。これまでも毎シーズン、そのシーズンに全てを出そうということで取り組んできましたし、最後だから特別なことをしなければいけないということはありません。ただ、応援してくださるファンの方にとっては最後のシーズンというのは特別なことだと思います。皆さんの期待に応えられるようなプレーや試合をお見せすることをお約束しますので、是非、試合会場に足を運んでください。今シーズンもDEERSへの声援をよろしくお願いします。



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