DEERS HOME

2009開幕直前インタビュー


 過去3年で2度のジャパンXボウル出場。しかし、昨年もあと一歩の壁を破れなかったDEERS。今年こその思いを胸に、1997シーズン以来の優勝を勝ち取るためのキーワードを、森ヘッドコーチに語って頂いた。


―まず、昨シーズンを振り返ってみてください。2年ぶりにジャパンXボウルに進出しましたが、パナソニック電工に敗れ、準優勝でシーズンを終えました。

 昨シーズンは、IBM戦、シーガルズ戦、富士通戦と紙一重の試合が続き、運に助けられた部分もありながら、決勝まで進出することができました。しかし、決勝戦では、試合の展開が思うようにいかなくなった時に、自分たちをコントロールすることが出来ずに自滅してしまうところがありました。そういった意味で、まだ本当に強いチームになっていないと感じたシーズンでした。

―ジャパンXボウルでは、オフェンス、ディフェンス共にベースとなるプレーで苦戦を強いられているように見えました。

   相手と比べて力不足であったことも事実ですが、その時のチームの調子、相手の調子もありますから、一概に全く通用していなかったとは言えないと思います。相手の力が一枚上である時や、自分たちの調子が悪い時にも、競り勝てるだけのチーム力が無かったと思います。

パールボウル決勝 ―昨シーズンの反省から、今シーズンはどのような点を強化しようと考えましたか?

   昨年の反省を踏まえ、自分たちの調子が悪い時や、思うようにいかないことがあっても、自分たちでコントロール出来る部分はしっかりとやりきって、自滅しないように、メンタル面のタフさを重視してチームを作っていこうと考えました。


―精神面を強化するために、具体的に行ったことはありますか?

   我々は、練習を毎日出来る訳ではなく、練習やミーティングの時間も限られていますが、選手に話したのは、どんな小さなことでもやり切ろうということでした。チーム、オフェンス、ディフェンス、スペシャルチーム、各選手と、それぞれに課題はありましたが、やると決めたことはやり切る。ということを具体的なポイントとして取り組んできました。

―新主将に牧内選手を指名しました。

 ジャパンXボウルも含めて、昨シーズンを通して牧内が一番悔しい思いをしていると感じました。彼自身としてもやり残したことがあったと思いますし、壁を破るためにも一番悔しい思いをした選手に原動力となって欲しいということで、牧内を指名しました。

―今春は、パールボウルで連覇を果たしましたが、トーナメントが始まる前から、優勝を強く意識されていたように思います。

 このような世間の情勢の中で、チームを存続させていただいているということに感謝しなければいけませんし、一番の恩返しは優勝することだと感じていました。  我々の存在意義を示すためにも、いい試合をして勝とうと選手には伝えましたが、その結果、優勝できてよかったと思います。

―春シーズンを通しての収穫はありましたか?

 選手層が厚くなったと思います。特に新人が期待通り、順調にチームに溶け込んで戦力となってくれました。  RBの岩倉、LBの秋野、長島、DBの堀はパールボウルトーナメントで活躍してくれましたし、夏の練習では、WR永川、OLの橋本、笠井も成長してくれました。  彼らの成長に刺激を受けて、中堅の選手で伸びた選手もいますし、全体的に層が厚くなったことが春の収穫だと思います。

シルバースター戦 ―いよいよ、秋のシーズンが開幕しますが、今シーズンのDEERSの特徴を教えてください。

   基本的なことは従来と変わりません。まずは、ディフェンスがしっかり粘って簡単に得点を許さないということが基本スタイルです。  ディフェンスには、突出した選手はあまりいませんが、自分たちのやるべきことと、相手の特徴をしっかり理解して、安定したディフェンスを展開することを目標としています。  オフェンスは、RB、WR陣の能力をできる限り生かして得点力をアップさせたいと考えています。

―オフェンスはQBに掛かる期待も大きいのではないでしょうか?

  バックフィールドにビッグゲインを狙える選手がいますから、QBが彼らの力をどれだけ引き出せるかも重要なポイントになると思います。


―スペシャルチームはどうでしょう?

   キッカーの西口が良くなっていますので、その力をどの試合でも発揮して欲しいと思います。  また、リターンゲームにおいては、新人の永川、堀を含め、大谷、丸田、中川、前田、小嶋と、良いリターナーが゙揃っていますので、ビッグリターンを狙いたいと考えています。

―今シーズンは、リーグ戦日程が新方式となり、2NDステージが増設されました。チームに影響する点などを含め、どのように考えられていますか?

   2NDステージが設けられたことによって、試合数が増えることは歓迎すべきことだと考えています。現場の選手やスタッフにとっては、負担が増えることになりますが、お客さんにとっては、実力が拮抗しているチームの対戦をより多く観戦できるということで良いことだと思います。  アメリカでは高校生からプロまで、毎週のように試合があり10試合以上をこなしています。それが当たり前になっているから自然とタフさが身についているのであって、長い目で見れば、日本のフットボールもさらに試合を増やしていくべきだと思います。ですから、新しいリーグ戦方式は歓迎すべきものだと思います。

―戦い方で変わる部分はありますか?

   戦い方は全く変わりません。ただ、試合数が増えることによって、フィジカルな部分への負担は大きくなりますので、トレーニングを継続して行い、シーズン終盤にもフィジカルが落ちることのないようにしたいと思います。

―昨シーズン届かなかった日本一を達成するために、最も必要なことはなんでしょう?

   自分たちが思うようにいかない時にでも、我慢して自滅しないことではないでしょうか。怪我をしている、相手が強い、練習が思うようにできていない、など苦しい状況は多々考えられますが、どんな状況においても、その時点での100%の力を毎プレー出し切るということが大切だと思います。

―最後にDEERSファンへメッセージをお願いします。

   いつもDEERSへの応援をありがとうございます。今シーズンは、リーグ戦の方式も変わり勝ち進めば試合数も増えますが、今まで通り、一戦必勝で、目の前の相手に全力でぶつかるDEERSらしい試合をお見せしたいと思います。是非、試合会場にお越しいただき、DEERSへの応援をお願いいたします。



All rights reserved, Copyright(c) 1995-2013 DEERS FOOTBALL CLUB Inc.